11/19/2006

登記済証と登記済権利証

前回、表示登記と権利登記の違いによって生じた困った問題について記しましたが、これと同じような問題が、不動産取引の売買代金決済の時に発生することがあります。
不動産を買うときには、買主が自分の名義に書き換えることが出来ることをきちんと確認した上で、売り主に売買代金を支払うことが鉄則です。
そうしないと、不動産の代金は支払ったのに自分の名義に書き換えることが出来ず、お金をドブに捨てることになります。というか、それはほとんど売り主の犯罪とも言うべき事態で、そういうことが起こらないように、注意をしながら手続きを進めています。
不動産の名義を書き換えるときに、特に注意すべき点は、現在の登記名義人が売主であること、売主が権利書を持ってくること、売主が印鑑証明書を持ってくることなど、不動産代金決済の当日にこれら書類を確認をしてOKがとれたら売買代金の決済をします。

ところで、手続上は、登記が終わると登記済証という書類が交付されます。(オンライン指定庁を除く)

売買などの大きなもの(これを特に権利書という)から下は住所変更や抵当権の抹消登記のような小さなものまで、登記済証が交付されていました。正式な名称としては売買によって生じたものも住所変更によって生じたものも、登記が済んだことの証明ですから、「登記済証」と呼ばれます。

また、家を取り壊した時には、「滅失登記」というのを行ないますが、そのときも登記済証が発生します。

言ってみれば登記済証には、重要な中味のあるものと、ゴミとまでは言いませんが、ほとんど意味のない登記済証とがあることになります。

そして、それらの保存方法は全くお客様次第と言うことで、皆様のお気に召すままに、処理いただいています。

私たちのように、この仕事を業にしている者は、大事な意味のある登記済証には立派な表紙を付け、ほとんど意味なのない者は表紙も付けないで中味だけご返却することがあります。



不動産の取引の場所には、売り主のかたに、権利書を持ってきていただきますが、前に書いたとおり、登記手続きが終わりますと、「登記済証」とも「権利書」とも呼ばれ、おまけに表題登記でも権利登記でも同じ名称の「登記済証」が発生するのですから、まあ、混乱は皆様ご想像の通りです。

時々、役に立たない方の登記済証をお持ちになることがあります。当然これでは登記が出来ないので、代金の授受はまた機会を改めてということになりますが、どうしてもその日に決済をしなければいけないときは、売り主のかたに、権利書を探しに戻っていただきます。

私たちも、権利書が見つかるかどうか不安ですが、売り主はもっと不安でしょう。自宅に探しに戻った売り主から「権利書が見つかりました」という電話が、決済場所にかかってくると、一同一安心で手続きを進め、書類が届いたら解散と言うことになるのですが、売り主さんの心労を思うと、気の毒になります。

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