ある総合商社の経理部に勤務している大変に真面目な女性から、父上の相続登記の書類を作成するアシストを依頼されました。
1般に経理の方は大変に真面目な方が多く、また論理的思考に慣れておられるため、私の能書きもすらすらと理解してくださって、こちらとしても大変に説明のしがいのある依頼者がおられました。
登記申請書の書き方も分かった、委任状の書き方も分かった、登録免許税の計算の仕方も分かった。依頼者の方はそのようにおっしゃいました。1番厄介なところを簡単に理解してくださったので、もう何も心配することはありませんよとお話をしていました。
ところがその後メールで、「遺産分割協議書の題名は、遺産分割協議書で良いのでしょうか?」とお問い合わせをいただきました。
次に会う機会が出来たので、面会してご質問の真意をお聞きしました。こちらも「?」で、例えば遺産分割協議書を「遺産契約書」、「契約書」、「合意書」などという表題にしたいの希望だと考えていました。そこで依頼者の方に、「内容が遺産分割の内容になっていれば、表題はなんと書いてあっても構いませんよ。ただ一般的に業界用語で遺産分割協議書というからそのように呼んでいるだけです」と得意になって説明したのですが、依頼者の女性はますます不審そうな顔をしています。
そして改めて、「分割でよいのですか」とおっしゃいました。
「はい、分割です」と私。
「合併とか言わないのですか」・・しばらく沈黙がありました。
「だってひとつのものを2つとか3つに分けるのを分割とゆうのに、なぜ母と共有の不動産を母名義に集めるのに合併と言わないのですか?」
そこまで言われなければ気がつかない私も鈍いんですが、確かに業界で使う分割という用語は、一般の方から見るとかけ離れた意味で使われています。
法律的には分割という言葉は、共有状態のものを単独所有に近づけていくための手続であって、逆の単独所有のものを共有状態にもっていく場合には、分割という言葉を使いません。
しかしいわれてみれば、依頼者の方がおっしゃったとうりでして、むしろわれわれの方が考え方がおかしいのかもしれません。
依頼者の方に質問されて、初めて気がついたことからでした。いい勉強になりました。
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