私は東京都港区で開業している司法書士ですが、この頃、従来あまり目にしたことのない、大規模な区分建物の、おかしな登記に遭遇することが多くなりました。
私が、、このところ立て続けに遭遇したのは、区分建物に付属する敷地権が、所有権保存登記と同日に敷地権登記されている事例です。
昔、昭和63年頃まで既存の区分建物(大規模なもの)は、次々と専有部分と敷地利用権とが一体化されて、いわゆる敷地権付区分建物の登記へと変更する登記が各地の登記所でなされました。これは一体化事業と呼ばれ、大事業でした。
一方、そのころから新築された区分建物は、小規模なものを除き、保存登記をするまでに建物の表題登記で、建物の専有部分に敷地権を最初から組み込んだ表示登記を行なった後に、販売(保存登記)されるようになりました。従って所有権保存登記をする時には、我々司法書士としては、登記原因を年月日売買とやって所有権保存登記をし、敷地利用権については「敷地権の表示」と書き、敷地権の目的たる土地の所在、地番、地目、地積、敷地権の種類、敷地権の割合と表記をして、区分建物と敷地利用権が一体化した表記をしておりました。
小規模なマンションではデベロッパーが底地も取得していますし、その底地の上にマンションを建築するわけですからマンションをデベロッパーの名前で表題登記をする場合、最初から建物に敷地権の登記をすることが可能なので、一般の顧客に販売する時までに(遅くとも所有権保存の登記を行うときまで)、各専有部分に敷地権が割り振られた(組み込まれた)状態の表題登記がなされており、我々司法書士はそれを見て、保存登記を行なっていればよかったわけです。
ところがこの頃の巨大なマンション、50階建で、一棟の建物の中に500も600世帯もあるような巨大マンションの登記が出現するに及んで、今まで見たこともないような登記が出現し始めています。
1、底地持分の取得の登記
(登記の目的:デベロッパー持分一部移転 権利者:買主)
2、所有権保存の登記
3、区分建物に新たに敷地権が付け加えられた旨の区分建物変更登記
4、抵当権設定登記
1番から4番まではすべて連続受付番号:たとえば1001、1002、1003、1004号というように、上記1~4の登記の順番通りに、同日付で連件の登記申請がされています。敷地権の追加という表示登記が中間に入っているのにも拘わらずです。
なんでこのような登記がなされるようになったのか法務局に行って確認をしてみました。法務局の担当の係官が丁寧に答えてくれました。
一般的に、底地をデベロッパー以外の第三者が所有しているような場合、第三者はお金をもらってからでないと買主に持分移転の登記をしてくれない(同時履行の抗弁権)原則があります。
その場合販売代金の決済がすまないと、買主に持分移転の登記を認めてくれないので、事前に専有部分に敷地権を組み入れることができない。
売買代金が支払われた後、土地持分を買主名義に移転して、その時点で専有部分の所有者と敷地持分の名義人が同一人になるので、敷地権の登記を行ない、その後、設定やら何やらの付属の登記を行なうのだということでした。
私たちは司法書士なので、細かいことはわからなかったのですが、敷地権の登記はいわゆる表示登記の部類に入る登記で、それと抵当権設定登記などの権利登記が連件で申請できるということも新しい発見でした。
この、巨大マンションの分譲に伴う保存登記が申請される場合、申請人側から1個1個の区分建物ごとに、上記1番から4番までの登記をワンセットでやってほしいという申請が相次いでいる、とのことでした。
これを処理する側からいえば、「保存・設定」という手順で従来行なっていた登記が、「1~4」という手順を踏むために、登記の件数が2倍になって、大変だとの話を聞いています。このような登記がなされることによって、一時港区の法務局もパンク状態になりまして1件の登記ができあがるのに1カ月程度の時間がかかっていることがありました。
とりあえず、そのような新しい登記が為されるようになったことを、本ブログに掲載します。
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