9/20/2007

清算結了した会社名義の建物表題登記と所有権移転登記 その2

現在の建物の登記名義人は、清算結了した会社になっています。
会社については、閉鎖登記簿謄本しか出ません。
当時の代表清算人は、幸いにもまだ生存しています。
このような状態で、建物表題登記(床面積の変更の登記)を最初に行うことになりましたが、1番貧乏クジを引いたのはこの業務を担当する土地家屋調査士さんでしたでしょうか。
表題登記は私どもの仕事の守備外ですので、土地家屋調査士さんの指示に従うしかないのですが、土地家屋調査士さんは会社の清算結了登記など、専門外ですので細かいところまで知る由もなく、調査士さんと司法書士でわからない部分を補い合いながら手続きを進めることになりました。

1、表題登記は誰が行うのか。必要書類は何か。
増築は、会社の清算結了前に行われました。
現在の建物登記名義人は会社ですから、常識的に考えて会社が表題登記を行うのがスジです。
問題は、清算結了した会社に登記を遂行する能力があるのかどうかです。理論的にどのような理由からそうなるのかは判然としませんが、先例を調べて、次のような通達を発見しました。
昭和30年4月14日 民事甲708
〔要旨〕 株式会社清算結了登記後、既往の売却不動産についてする所有権移転登記にあっては、その申請書に添付すべき登記義務者の印鑑証明書としては、市町村長の証明にかかる代表清算人個人の印鑑証明書で足りる。

これを裏返して見ますと、申請人は会社、その代表機関は当時の代表清算人ということが見て取れます。
この旨を調査士さんにお伝えし、表題登記をやっていただきました。
建物の引き渡し証明書や施工会社の印鑑証明書、代表者事項証明書などは建物所有者が紛失してしまったため、当時の施工会社から再交付願いました。
建物図面や各階平面図に捺印していただく会社の印鑑と登記に使用する印鑑は何を使うのかが引き続き問題となりました。
私は上記の先例を見たので、何にでもつぶしが聞くと思いましたので、代表清算人の個人の実印を押していただくのが最良の選択と思いましたが、法務局の見解では、一応会社だから当時の代表印でも押してくれれば良いとのことでした。
これで問題は解決し、建物の表題登記は無事に完了いたしました。

次は私の番になります。

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